プーチンの末路は断じて哀れなものでなければならない。
- 2022/11/10
- 04:42
<ロシアが一方的に「併合」したウクライナ南部ヘルソン州で、ロシア軍の州都撤退が近いと言われる中、米ロ双方が今後の現実的なシナリオを検討し始めたもようだ。
ロシア側は「戦略的撤退」のアピールを早くも模索。ウクライナを支援する米側は、停戦交渉を排除すべきでないとゼレンスキー政権に働き掛けているとみられる。
「(約300年前の大北方戦争で)ピョートル大帝はいったん撤退したが、最終的にスウェーデンに勝利した」。独立系メディア「メドゥーザ」が7日に伝えたところでは、ロシア大統領府はこの歴史観に焦点を当てて報道するようメディアに通達を出した。
政権に近い学者は最近、プーチン大統領との会合で、歴史上の撤退について力説。ウクライナでの劣勢に重ね合わせたとささやかれた。
メドゥーザによると、大統領府が報道管制を強めているのは、州都ヘルソンからの撤退が現実味を帯びていることが背景にある。政権高官がかねて「ロシアは永遠にここにいる」と吹聴していたこともあり、国民に「敗北」と見なされれば、プーチン氏への批判につながりかねない。
世論対策としては、戦略的撤退と人命尊重の二つを強調し、軟着陸を図る考え。大統領府関係者は「撤退は好ましくないが、十分あり得る」と認識しているという。
一方、バイデン米政権は、ウクライナ南部情勢を節目の一つと捉えているもようだ。イタリア紙レプブリカは、米国と北大西洋条約機構(NATO)当局者が「ヘルソン解放」後に停戦交渉のチャンスが生まれるとみていると伝えた。
米紙ワシントン・ポストも今月初旬、米側がゼレンスキー政権に対し、ロシアと交渉に臨む「用意」だけでも対外的に示すよう水面下で打診していると報じた。ただ、ウクライナ側は民間人への攻撃を受け、態度を硬化させている>(以上「時事通信」より引用)
米ロ首脳がウクライナ情勢を巡って話し合うのはやぶさかではない。一日も早い停戦合意がもたらされ、ウクライナに平和が戻ることに異論はない。
しかし、それがプーチンの戦争を終わらせることにならないで、ロシア軍に一息入れさせるだけの結果になりはしないか。ロシアの次の侵略に向けた準備期間を与えるだけの「停戦」なら意味がない。
現にロシア大統領府は「(約300年前の大北方戦争で)ピョートル大帝はいったん撤退したが、最終的にスウェーデンに勝利した」という歴史観に焦点を当てて報道するようメディアに通達を出したという。記事によると「政権に近い学者は最近、プーチン大統領との会合で、歴史上の撤退について力説」したそうだ。
だがプーチンは「国民に「敗北」と見なされれば、プーチン氏への批判につながりかねない」ため「世論対策としては、戦略的撤退と人命尊重の二つを強調し、軟着陸を図る考え」だという。
しかし誰が考えてもプーチンの戦争は大失敗で、いかなる美辞麗句を重ねようとプーチンの戦争責任は免れられないし、断じてプーチンの戦争責任を棚上げにしてはならない。米国が停戦合意を急ぐあまり、プーチンに譲歩し今後への禍根を残したままにしてはならない。
停戦合意の条件は最低でもプーチンが政権から退かなければならない。侵略戦争を仕掛けたロシアの責任を問う形でなければ停戦合意など決してしてはならない。ましてや「ピョートル大帝」の故事に倣って、ここは一旦退くが必ずウクライナ全土をロシアが盗る、などといったバカげたロシア国民への言い訳を許してはならない。プーチンが侵略戦争を仕掛けた愚行に対する反省の弁を述べて、クレムリンから去るのが停戦合意の最低条件でなければならない。
ロシア経済は破綻に瀕している。対ドル・ルーブル為替相場の下落を防ぐために20%近い金利引き上げを行うなど、無茶苦茶な経済政策を実施したためロシア経済は取り返しのつかない事態に陥っている。愚かな経済評論家が「資源国家の財政は堅実だ」などと分析しているが、石油や天然ガスを食べてロシア国民が生きていけるわけではない。
韓国ほどのGDPしかない国がこれほど長期間にわたって戦争を継続できただけでも奇跡だというしかない。それはソ連当時の膨大な兵器や弾薬の備蓄があって初めて可能になったのだろうが、それも既に底を突いたようだ。徴収兵に渡す満足な装備品がないため、この厳寒の冬の戦争は困難だといわれている。150万着の軍外套は何処へ行ったのか、とプーチンは怒り狂ったという。それが独裁・腐敗国家の現実だ。
停戦を焦ってはならない。プーチンの退陣まで、停戦してはならない。独裁者の末路がいかに哀れなものか、世界に示さなければならない。
なぜならプーチン以上の独裁者が世界にはゴマンといるからだ。極東にも習近平氏や金正恩氏など、核兵器を弄びつつ「侵略戦争を始めるゾ」と脅しまくっている。彼らにバカげた考えを捨てさせるには、プーチンに哀れな最後を迎えてもらわなければならない。
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