安倍・プーチンによる日ロ会談に多くは望めない。
- 2013/04/30
- 06:25
ロシアはシベリアの天然ガスを東アジアへ売るためのパイプラインや各種施設の建設を日本の資本で行いたい。日本は安い天然ガスの安定供給をロシアに求めたい、という両者の利害の合致により安倍・プーチン会談が持たれた。
そこで安倍首相は北方領土の解決を目指そうとプーチンに持ち掛け、プーチンもそれは良いことだと応じたが、同床異夢とはまさしくこのことだ。プーチンは北方領土で利用価値のない島嶼部からなる歯舞・色丹の二島返還で事を済ます姿勢はいささかも変えていない。
そもそもシベリア天然ガスは欧州諸国にパイプラインを建設して売り込んでいた。最初は順調に事業は進み欧州がロシアの天然ガスに依存し始めると、突如として冬場の需要期にプーチンはパイプラインのバルブを閉じて供給と引き換えにロシアの世界戦略を是認せよと欧州諸国に迫った。
ロシアとはそういう国だ。安倍氏がロシア訪問が迫った時期に警戒機を日本の領空に接近させて自衛隊機の緊急発進を招いている。これから商売の話をしようとする前に極東のロシア軍の存在を日本政府に印象付けた。そうした駆け引きこそが「外交」だと大統領が認識しているほどの、ロシアとは実に民度の低い国だ。
天然ガスの極東の利用施設を日本の投資で建設すれば日本に安く安定的に売ってくれるのか、というと必ずしもそうではないだろう。契約破棄などは何とも思わない国だ。それが証拠に日ソ不可侵条約を破棄して負け戦で手をあげた日本に侵攻した卑怯な国だ。
ロシアのシベリア天然ガスに触手を伸ばす暇があったら、日本近海のハイドルメタンの採掘技術の確立を国家を挙げて急ぐことだ。ロシアに頼ってはならない。経済援助も行ってはならない。ロシアとは北方四島をロシアから自主的に反省して返還するまだとことん対立すべきだ。共同事業する相手ではないことを肝に銘じていなければ、ジュネーブ条約違反の国際法破りで60万人もの日本国民を強制連行し、シベリア抑留で餓死・凍死させられた人たちに対して日本政府は何んと申し開きするつもりだろうか。
プーチンの統治力は万全ではない。ロシアの国情も不安定化している。もはや賞味期限切れの近づいているプーチンといかなる階段を積み重ねようとすべては砂上の楼閣だ。
中国・韓国などの「反日国家」と同じく、ロシアという火事場泥棒国家とマトモな国際交渉が出来ると思わないことだ。これまで日本が北方領土のロシア人にどれほど援助を行ってきたか、それに対して彼らはどのように応じてきたかを忘れてはならない。無駄なことは一切やらないことだ。
日本はいまだにロシアと平和条約を締結していない、いわば日本にとってどうでも良い国だ。そうした認識を忘れてはならないし、ロシアは北方領土を平和的な話し合いでは決して手放そうとはしない、という現実も忘れてはならない。シベリアの天然ガスが必要だと、物欲しげな顔をロシアに見せてはならない。