日本企業の海外生産は企業利益に寄与するだけだ。
- 2017/05/08
- 15:22
米国とカナダで完成車を生産するトヨタ自動車と日産自動車、ホンダ、SUBARU(スバル)、日野自動車の5社の生産台数は16年度に500万3千台と5年連続で過去最高を更新した。三菱自動車を含めた15年度実績を1%上回った。
トヨタが最も多く、1%増の約197万台だった。スバルはトヨタの主力セダン「カムリ」の受託生産が終了し、生産ラインを自社用に変更したことで、42%増の約33万台と大幅に伸びた。
16年度の米国での生産は日系勢合計で1%増の約397万台に達した。現地メーカーなどを含めた米国生産全体のなかで、日系勢は3分の1程度を占めている。
足元の販売は減速が指摘されているが、17年度も北米生産は拡大基調となる見通し。トヨタは生産性向上などに5年で100億ドル(約1兆1千億円)を米国に投資する方針を示している。
一方、日本からの米国輸出はピークだった30年前から半減したものの、ここ数年は150万~170万台と大きく減っていない。生産面ではメキシコでの拡大に動いており、日本車のメキシコ生産は5年で約2倍に増加。16年度は約145万台と米国生産の4割弱の規模だ。トランプ氏は雇用や貿易収支に目を光らせており、各社の戦略への影響が懸念されている>(以上「日経新聞」より引用)
日本国内で生産した自動車が米国で売れたのなら慶賀の至りだが、北米で生産された自動車がいくら売れようが、それはその企業の収益でしかない。つまり日本の労働者の所得とは何の関わりもない。
それをさも重大ニュースのごとく日経新聞が伝えるのは流石、と思わざるを得ない。そのニュースを株式投資や自動車会社経営とは無関係の大半の日本国民も喜ぶ、というのは一種の洗脳ではないだろうか。
輸出大国、加工貿易立国、といわれたのは昔話だ。今では日本のGDPで貿易関係が占める割合は14%に過ぎない。日本は内需大国になっている。
その内需がアホな安倍自公政権で消費増税8%を実施したため、肝心要の内需不足に陥り、デフレ経済から脱却できないまま5年有余も経ってしまった。安倍自公政権は実質勤労者所得を16%も減少させ、エンゲル係数を上昇させた、国民総貧困化政策を続けている戦後最悪の政権だ。
なぜトランプ氏に脅されれば51兆円も米国に投資して、米国で70万人の雇用を創出すると約束しなければならないのか。なぜ日本国内に51兆円投資して、日本国民の雇用を70万人分創出しようとしないのだろうか。
人手不足だというが、安定的な雇用・正規社員が人手不足なのではない。ブラックといわれる介護や居酒屋や宅配事業などが人手不足に陥っているだけだ。
安倍自公売国政権は人手不足を言い訳にして、実習外国人という名称の外国人労働者を大量に入国させようとしている。外国移民がいかにその国の社会を不安定化させるか、移民先進諸国で明らかになっている。
財界新聞の日経新聞が「慶賀の至り」として日本自動車会社の北米生産が500万台を超えたと書き立てているが、それは日本国民からそれだけ優良な雇用を奪っている、という側面を全く書かないのは新聞社の立場ゆえだろうか。
自動車などの輸出増大と引き換えに日本国民の命綱の食糧を天秤にかけられてはかなわない。